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遺言・相続編

相続時精算課税制度を利用すると小規模宅地等の評価減の特例が受けられない 

贈与税の特例としまして相続時精算課税制度がありますが、この制度は生前贈与対策等で贈与時に贈与税を納めておき、その贈与者が亡くなったときにその贈与財産の贈与時の価格と相続財産の価格とを合計した金額を基に計算した相続税額から、贈与時に納めている贈与税相当額を控除し相続税を納めるというものですが、この制度にかかる贈与財産の2500万円までは贈与税が非課税になり、非課税枠を超える部分に関しては一律20%の課税になります。

 

一般的に知られている110万円以下は非課税である暦年課税制度がありますが、こちらは110万円以下であれば申告の必要はありませんが相続時精算課税制度を選択して贈与するには贈与額にかかわりなく申告しておく必要があります。暦年課税の贈与に比べて相続時精算課税制度は2500万円まで非課税で贈与できる点では有利ですが相続時精算課税制度を一度選択するともはや暦年課税制度には戻れません。つまり非課税である2500万円の枠を超えた部分がたとえ110万円であっても非課税にはならず、一律20%課税されます。 

 

次に相続税に関してですが、平成27年1月1日以降の相続開始に関しては基礎控除額が従来は5000万円に相続人1人あたり1000万円を加算した金額とされていましたが、3000万円に相続人1人あたり600万円を加算した金額にまで引き下げられました。相続税の申告をされる方が増えるということになります。

 

この相続税の申告をされる見通しであれば生前対策が有効であることに変わりはありませんが、生前贈与による方法もそのひとつでしょう。もし相続財産になるであろう総額が相続税の基礎控除を差し引いて相続税の申告の見通しがあって金銭以外の不動産の額が相続財産に占める割合が多いのであれば、小規模宅地等の特例を適用すると要件はいろいろありますが、宅地の評価減が特定居住用宅地ですと330u以下であれば80%減、また特定事業用宅地ですと400u以下が80%減の評価が適用になり、つまり20%の評価で課税されますので非常に大きな効果が得られます。

 

そして先の相続時精算課税制度の選択をするとこの小規模宅地等の特例が受けられないことになっていますので、相続税がかかる見通しなのか否かまた相続財産の構成によって相続時精算課税制度の利用が得策かどうか検討の余地が変わってくると思われます。そのあたりのことも専門家にシミュレーションしてもらって対策しておくと遺産分割をふまえた相続人間の争いを避けることにもつながると思います。 

 

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